こやなぎファームの一年
種の消毒~育苗
雪が多い北信州は3月まで里に雪が残っています。雪解けを待ち時には雪が降る中で作業が始まります。こやなぎファームでは温湯で消毒します。種まきから田への苗箱伏せ込みまでに、多くの人の手を借りながら育苗までの準備を行います。みんなの協力を無駄にしないよう立派な苗を育てるために、春先の変わりやすい天気の中、付きっきりで育てます。
粉状の有機質肥料で土づくり
土づくりはおいしいお米作りにとってとても重要な部分です。お米の味を決めると言っても言い過ぎではありません。 こやなぎファームでは品質管理がしっかりしている国産100%の肥料を使用しています。
肥料に妥協は絶対しません。こだわりの粉状有機質肥料を使ったりコラーゲン入り肥料を使ったり、品種や田の特性に合うように肥料を使い分けます。粉状肥料は小さな風で舞ったりするので扱いにくいですが土と均一に混ざり肥効が安定します。
こやなぎファームの田植えは遅い
品種によって田植えの時期は異なりますが、こやなぎファームでは基本田植えを遅くしています。
有機質肥料の分解をじっくり待つことにあります。
稲も寝苦しいと元気がなくなります。
そして田植えを遅くしている理由はもう一つあります。
節句といえば5月5日ですが、ここ北信州では6月5日が節句です。(家庭ごとにそれぞれではありますが)昔から天候に合わせそれぞれの季節のお祝いをしたそうです。それだけ春が遅く寒冷地なのです。
節句は梅雨の始まりを意味しており、鯉が昇る縁起が良い時期です。そんな風習にもあやかっています。
そして信州の秋は深まるほどに寒暖差が生まれ、お盆を機に寝苦しい夜がなくなります。人と同じように、稲も暑すぎては苦しいと考えています。すごしやすい季節の中でしっかり登熟することでお米の味に深みが出ます。
草取り、田の管理
田植え後は、草刈りをして通気性をよくします。
気温が高くなり、これは追加で肥料を与えるときにも稲に栄養がいきわたるため大事な工程の一つです。夏の炎天下の中、目が回りそうになりますが稲の元気を守るために、水を凍らせたペットボトルを片手に、一つ一つ手作業で草を抜いていきます。
そしてもち米の田では雑草稲が生えていないかチェックをしっかり行います。
収穫
穂の出そろうタイミングをしっかり見極め、登熟具合も観察します。
稲刈りが近づくと毎日田に向い稲とのにらめっこです。
日当たり、地力や肥料の量、水はけ、田植えの時期、天気により登熟のタイミングが違ってきます。適正な収穫時期を逃さないようにします。
そして栽培方法や地番ごとにまとめ収穫されたお米は乾燥し調整され出荷します。
地番ごとに管理・保管
厳しい品質検査(粒張り・粒ぞろい・つや・水分)をしたのち、地番ごとに低温の蔵で貯蔵します。 実際に試食し納得のいくものだけを出荷しています。
秋起こしを終えた田
秋に田起こしを行っているため、年間を通じて雑草が生えることがありません。
下の写真はコシヒカリ。その横がモチヒカリ(もち米)。右は少し緑色に見えます。これはもち米が早く収穫する品種で収穫後の気温がまだ高いため、刈り取った所から稲が再生してきたからです。稲の力はすごい!
自分で食べて美味しいお米を
お米は一年に1回しか収穫できません。北信州の気候の中で育った、一年間大切に育てたお米だからこそ、自分のお米達には幸せに食べられてほしい。
またこのお米達がたずさわる全ての人が喜びを感じてもらえたら幸いです。
それぞれの田の個性に合わせて、品種、肥料、植付け時期・間隔、除草、除虫など様々な方法を研究し試してきました。もちろんまだまだ未熟者、絶対自分にだけは負けないよう日々精進の毎日です。これからも食べて美味しいお米をお届けしたいです。
公開日: 最終更新日:2021/03/19