種もみの温湯消毒、美味しいお米を作るためにする大事なこと。
2021/06/20
おいしいお米作りのために行う大事な作業に種もみの消毒があります。小柳農園では田の雪が消えた頃、4月に入ると始まります。まずは当園の種もみと温湯消毒(オントウショウドク)について説明します。
種もみとは?
お米作りをするための種。小柳農園では良質の籾(もみ)を使用していて検査に合格した種籾を基本的に使っています。皆さんご存知でしたか?お米の種は作り方によって収穫量はかわりますが、例えるなら1キロがおよそ200キロにもなるとっても貴重な植物です。もちろん昨年、収穫された籾からも芽が出て立派なお米になります。

温湯消毒とは?
60℃の温かいお湯で種を一定時間つけて病気の原因となる菌を滅すること。
温湯消毒をする理由。
- 例えば花を咲かせるために種を土に植えて水をあげて育てますよね。お米も同じで種を植え付けて育てます。でもその種が、病気や雑菌に侵されていたとしたら・・・。小柳農園で大切に保管してきた種もみとはいえ外側を覆う籾に雑菌がゼロではありませんので温湯消毒を行うのです。
- 観賞用の花が病気になった時は薬を使えますが、私たちの口に入るお米はできるかぎり農薬を使いたくありません。農薬を使って消毒してしまえば楽に、すばやく籾の消毒は終わるのですが、小柳農園はお米作りに極力農薬は使わないように心掛けています。
小柳農園の温湯消毒
1.種もみの準備
籾を4~8kgずつ目の細かいネットに入れます。10袋、50袋、100袋・・・。

完全な手作業ですので籾の準備だけでもかなりの時間を要します。なぜネットにもみを入れるかは次の温湯消毒の作業で明らかになります。

献上米として育てられる籾です。1粒でも多くの種もみが元気に育ち献上米としてお届けできるよう大事に育てていきますので、今年も楽しみにしていてくださいね。
2.種もみのセット
小分けにした籾を1袋ずつかごにセットします。

もっとたくさんの種もみを入れてもよいのですが、種もみ1粒1粒に60℃の温湯をいきわたらせ温湯消毒の効果を最大限引き出すために当園では1袋ずつ消毒を行います。
3.温湯消毒開始
我が家の温湯消毒の機械は2つ。1回の消毒時間は10分。それぞれに種もみの入ったかごを入れて消毒開始です。

細かくネットに分けておくのは上述の通り温湯消毒の効果を最大限引き出すため。また小柳農園では献上米・特別栽培米コシヒカリ、風さやか、もちひかりなど様々な種類のお米を栽培し販売しています。それぞれの品種の籾が1粒たりとも別の籾と混ざったりしてはいけないのです。そのためにも種もみを厳重に細かく管理しこのような手間をかけています。
4.消毒後冷却
10分間の温湯消毒の後、すぐさま冷たい水で冷却します。

冷却水が温まらないよう日に何度か水を入れ替えて次の芽だし(発芽)の準備をします。

温湯消毒後の美味しいお米作りは、「北信州こやなぎファームのお米の一年」をご参照ください。
美味しいお米をお届けするために
温湯消毒は農薬を使わないという点では安全なのですが、100%病気や雑菌の滅菌および防除ができるわけではありません。小柳農園ではお客様に安全なことはもちろん、美味しいお米を食べていただきたいと思っています。温湯消毒後も種の管理を徹底しています。安心してお召し上がりください。
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