北信州の節分は、なぜ長芋なのか?
2021/06/20
北信州自慢の食文化!「節分は長芋で芋汁ごはん」
2月と言えば「節分」ですね。
恵方巻が全国的に伝わりすっかり節分の定番となりました。ここ長野でも時期になればスーパーに並び、競うように恵方巻を購入する光景が見られます。我が家も毎年ではありませんが恵方巻を購入して節分に食べます。この具材どうやって巻いたんだ?!とおもうほどデラックスな恵方巻も見かけます。
しかし、北信州のスーパーでは同じ時期に「長芋」も店頭に並びます。長野県の北信地方(ホクシンチホウ)には昔から節分に長芋をすり下ろして食べる風習があります。これには諸説ありまして・・・。
なぜ節分に長芋なのか?
北信州の節分いわれ1
むかし、旅人に化けた鬼を親切に一晩泊めてあげたおばあさん。夜中に鬼はおばあさんを食べてしまおうとしたところ、そうとは知らずに鬼にご馳走しようと「長芋」をすり下ろしているおばあさん。その姿を見た鬼は「鬼の角をすりおろしている!」ように見え、鬼は慌てて逃げかえった。
北信州の節分いわれ2
長く伸びた長芋を鬼の金棒に見立ててそれをたいらげてしまうことで鬼を払う。
北信州の節分いわれ3
すり下ろした長芋で、鬼が門で滑って家に入れないようにする。
以上が節分に長芋を食べるいわれです。
こんなに長い鬼の角をすり下ろしている姿を見たら鬼もびっくりですよね。
長野は節分を終え立春になってもまだ寒く雪も降る地域です。節分に栄養豊富な長芋を食べるのはそんな寒い地域でも元気に暮らすための昔の人の知恵なのかもしれませんね。
長野の長芋はおいしい。
長野の長芋の主な産地は山形村と長野市松代。
我が家は松代産の長芋をよく食べます。
長芋はすりおろすのはもちろん、煮物や浅漬けにもおすすめです。
さっぱりしているので沢山食べられます。
節分に芋汁ごはんぜひお試しください。ごはんのおかわりが増えますのでいつもより多めに炊くことをおすすめします!
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